インド熱がさめやらず そのⅡ

1日素敵なおもてなしを受けることになったインド人一家で、
お昼をいただき、食後の団欒ということでソファのある居間へと
移動した。テレビは液晶薄型で、テラスのようなベランダには
リクライニング型のビーチにあるような木製の椅子がおかれ、
食事がカレーであることをのぞけば、完全に欧米化された生活が
そこにはあった。


みんなでテレビを見ようといって合わせたチャンネルはCNN。
思えばヒンディー語の会話も夫婦の間では交わされるものの、
基本的にイギリス人の女性もひとり招かれていたこともあって、
親戚同士でもオーストラリア、インドと国籍が異なることから
必然的に共通語は英語なのだ。それは当たり前のことなのだろうけど、
私にはちょっとしたショックだった。


しかもニュースをめぐる会話が始まるにつれて、ますます私の
目は開かれることに。ちょうどCNNから流れてきたのは
パキスタン情勢をめぐるニュース。みなさんのディスカッションが
なにやら活発になる。でも、ヒートアップしていて、インドなまりも
あいまってなかなか聞き取れない。そうだ、インドの隣はパキスタン
であったという当たり前の事実にまた気づく。
さらに次のニュースはアフガニスタン情勢をめぐるもの。
イギリス人女性(彼女はNGOのボランティアでインドへ旅を
しにきていた)はすかさず、インド人がオバマアフガニスタン
政策をインド人はどう考えているのか、そもそもインド人は
オバマを支持するのかと問いかける。
ここでまたもや、議論が白熱!


インド人にとってパキスタンアフガニスタンのニュースは
日本の感覚で言えば、韓国・北朝鮮のニュースというところか。
でも、そうした地理的な距離に限らず、英語を操る人たちは
ニュースソースもまた共有していて、インド、イギリス、
オーストラリアと生活拠点は違えど、世界情勢の話題がお茶の間
にのぼることにショックを受けた。
日本語だけでニュースにアクセスしていれば、
日本語でのニュースソースに限られる。
そのこと自体は問題でないとしても、NHKにしたって主要新聞
にしたって、いかに海外情勢が報じられていないかということ、
日本人がどれだけドメスティックであるかということ(ちょうど
日本はノリピーのニュースまっさかり)をまざまざと突きつけられた思いだった。


そうして私は今、必死でヘラルドトリビューンを読む毎日。
ここでの気づきがまた予想以上のもので、そのことはまた余裕のある
ときに。とにかく、日本のメディア状況はあまりに内向きですね。