インド熱がさめやらず!そのⅠ

帰国から2週間あまり、私の中でインド熱はヒートアップするばかりだ
(もっぱら読書もインド関連)。


急成長著しいインドのIT都市バンガロールに入ってから、
休みを目いっぱい使っての1週間強の南インドの旅。

混沌としたカオスのインドというよりも、私が圧倒されたのは
街中にあふれるエネルギーと、インテリ階層・ディアスポラ
インドを支える現実だった。


街を歩けば、そこかしこに「Study,Work,Immigrate UK!」
「Let's toefl」「Let's MBA」という標識が下がっている。
studyとworkはわかるにしても、移民を積極的にすすめる広告って!
いったい移民をすることがどれだけ日常的で現実的なことなのか、
私はウームと考え込んだ。しかもUSAではなく、UK。インドが
イギリスの植民地であったことと無縁ではないのだろう。
植民地国に親近感をもつ現実というものも(インド人とイギリス人
心理的な距離の近さ)、私はのちのち知ることになった。


旅の始まりは、ヴァスコ・ダ・ガマが立ち寄ったという
香辛料で有名なコーチン(Cochin)。
街のそこかしこにコロニアルな雰囲気が残り、私が泊まった
ホームステイ形式の宿デライト・ホームステイの女主人も
クリスチャン。いわゆるインドとはまるで違うインドながら、
これもまた確かにインド。
人はゆったりと優しくて、ほっとできる空間なのだ。
宿から目と鼻の先にあるDall Rotiという、とにかくおいしい
食事どころにしばらく通いつめた私は、そこで一人の観光客に出会った。


聞けばオーストラリア育ちながら、彼の両親はインド人。
今は仕事の休みをとって1年間旅の途中で、インドを旅している
のだという。親戚はインド中にいるんだそうで、お互いの旅日程を
話していると、また数日後に二人ともバンガロールにいることがわかった。

すると、「ぼくはおじさんの家に滞在するんだけれど、
よかったらおじさんに連絡をしておくから、一緒にいかが?
バンガロールを案内するよ」と笑顔で誘ってくれる。
ガイドブックには旅先での怖い詐欺話がたくさん載っているが、
彼の仕事も含め、信頼できる人物だと判断した私は数日後に
バンガロールで彼と再会することになった。


数日後、滞在先のホテルに彼と彼のおじさんがホンダの車で
迎えにきてれくれる。しばらく車を走らせ、着いたのは
新興住宅街のきれいなマンション。

ドアを開けると、おじさんの奥さんが「Hi!」と笑顔で迎えて
くれた。その日はインド独立記念日の前日で、やはり国民の祝日
親戚が何人か集っている中にご招待していただいたのだ。
お手製のお昼は文句なしにおいしくて、ただただ感激だったのだけど、
中流階級のインド人の生活を目のあたりにしたことが何よりも
カルチャーショックだったし、旅のハイライトだったように思う。


(つづく)

新ゴーゴー・インド

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