雑誌のカタチ
若い人は雑誌にはもはや興味がないとか、
携帯とネットの影響で本だって読まないとか、
出版不況の原因は根拠のない説明によって
説明されがちだけれど、それって本当に根拠がない。
ひとえにコンテンツ作りの力の不足が原因だろうに。
「活字を読む世代はもはや限られているから、
そこに向けて球を投げ続けることが大切だ」
というのは、死に行く世代のことしか考えていない
ものづくりだ。
作り手がワクワクしなければ、読み手にとっても
ワクワクするものなんて生まれない。
作り手が若いのであれば、若い感性で勝負できる
場(雑誌)がなければ、老年世代の感性にムリに
でも若手があわせるという不毛なエネルギーの
使い方が生まれるばかりだ。
結局そうやって作り手と読み手とのギャップが広がる
ほどに、そのつまらなさは読み手にも伝わって、
売れるはずのものもますます売れなくなる。
そして、雑誌を作りたいから編集者になりたい
なんて若い人もますますいなくなる。
(これはテレビだって新聞だって同じかも)
つまるところ、こうして雑誌はつまらなくなった
んじゃないんだろうか。
ロングセラー『思考の整理学』の外山滋比古さんの
『新エディターシップ』には、
優れたエディターシップを持つ人こそが、新たな
文化を創造すると書かれている。
、
- 作者: 外山滋比古
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2009/05/21
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それは何も編集者に限らず、外交官や通訳、デザイナーなど
断片的な素材をつなぎあわせ、統合する作用によって
創造的な活動を行う人すべてのことを指している。
少し前には最相葉月さんが、日経新聞のプロムナード欄に
「これからはますす編集者の役割が増すだろう」と書いていた。
編集者というかたちで仕事が存在し続けるかどうかは別と
して、私もエディターシップの必要性は増しているように感じる。